Finn Juhl の作品

BAKER SOFA

世界で最も美しい肘を持つ椅子

《 展示店舗 》 ロゴバ東京店

1951年デザイン
FJ5100 W1950×D800×H980 SH440

ベイカーソファは、1951年に発表されました。
彫刻作品のような造形を持つこのソファは、彼のアメリカへのデビュー作となり、その後の国際的なキャリアを築く上で非常に重要な役割を果たしました。

ベイカーソファの最⼤の特徴は、背もたれが上下に分かれ、その上部の背もたれ(ヘッドレスト)が背面の⽊製フレームによって本体から離れ宙に浮いているように⾒える構造にあります。

その有機的にデザインされた上部背もたれは、左右の両端が⼤きく前⽅にカーブし座る⼈を包み込むと同時に、下部本体のカーブとのわずかな曲率の違いによって、上下の背もたれの間に生まれた空間が心地よい肘掛けとなり、腕を休ませる機能を果たしています。

このように 芸術的とも言えるフィン・ユールのデザインは、本来必要な機能を十分以上に満たしています。
つまり 彼のデザインは、機能と形を “ひとランク上” の状態で融合させる 正にアーティスティックなデザインなのです。それゆえ フィン・ユールに興味をもつ人々は、「彼の作品には “華” がある」と称賛するのです。

こうした彼の類い稀なる才能は、デンマーク国内にとどまらず、海外でも注⽬されることになります。
最初にフィン・ユールに⽬を付け、国際的なキャリアへの⾜掛かりを与えたのは、ニューヨーク近代美術館(MoMA/モマ)のインダストリアルデザイン部⾨のディレクターであったエドガー・カウフマン・ジュニア(1910-1989)でした。

カウフマンは、デンマーク旅⾏中にフィン・ユールの家具デザインに感銘を受け、フィン・ユールをアメリカに招待しました。この出会いが、フィン・ユールの国際的な活躍のきっかけとなったのです。

1949年 カウフマンは、雑誌『インテリア』にフィン・ユールに関する記事を執筆します。するとその記事は、ミシガン州の家具製造会社ベイカー・ファニチャーの2代⽬社⻑である ホリス・ベイカー(1888-1966)の目に止まり、そのベイカー・ファニチャー社が 1951年からフィン・ユールと協業を開始することになりました。

ホリス・ベイカーはアメリカ市場向けにモダン家具コレクションのデザインをフィン・ユールに依頼し、そのコレクションの1つとして1951年に発表されたのが、ホリス・ベイカーの名を冠したこのベイカーソファだったのです。

彫刻(芸術作品)のような家具をデザインするフィン・ユールと、アメリカ市場における⽣産・販売網を持つベイカー・ファニチャー社との出会いは、アメリカ市場へ デンマークデザインの輸出ブームを引き起こすきっかけとなりました。
協業は1957年に終了しましたが、ベイカーソファは、アメリカにおけるデンマークモダンデザインの認知度を高める上で、非常に大きな功績を上げました。